注目すべきHAPS スタートアップ4選
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こちらの記事では注目すべき【HAPS】関連のスタートアップ4社を紹介いたします。
HAPS(High Altitude Platform Station)とは、高高度で長時間運用可能な航空機で、人工衛星と同様に観測や通信サービスを提供することができる次世代の新たな通信インフラのことを指す。同通信インフラは、通常、成層圏に位置し、地上の通信インフラを補完する役割を果たす。現在、HAPSモバイル(ソフトバンクとAeroVironment)の機体Sungliderが高度約19kmでのテストフライト、Airbusの機体Zephyrが約26日間の連続飛行に成功している。
HAPSは、地上基地局や衛星と比較して、特に広範囲なエリアをカバーする能力がある。半径100kmまでカバーが可能であるため、海上や深い山地など、従来カバーが難しかった地域での通信を可能にする。また、HAPSは、静止軌道衛星と比較して通信速度が速く、遅延が少ないという点も特長である。低軌道衛星を利用することで、必要な衛星の数を少なくしながらもサービスを提供できることが大きな利点である。これにより、メンテナンスも容易になり、定期的に最新技術を導入することが可能になる。容易に展開でき、迅速にサービスを提供できるため、特に災害時や通信インフラが整っていない地域での利用が期待されている。
Northern Sky Researchによると、HAPSの市場規模は2029年には$40B(約5,800億円)程度に成長すると予測されている。Alphabetの子会社Loonは2020年に初の商用サービスをケニアでスタートさせたが、長期的で持続可能なビジネスを構築するのに十分なコスト削減方法を見いだせないとの判断から、翌2021年にAlphabetによってプロジェクトの終了が発表されたことを受け、今日新たに参入しようとする事業者の動きが活発になってきている。
(参照)
https://www.icr.co.jp/newsletter/wtr403-20221028-matsuda.html
注目すべきHAPS スタートアップ4選
Near Space Labs 軽量でゼロエミッションの成層圏気球
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【企業名】Near Space Labs
【ラウンド】Venture Round
【設立年】2017年
【業種】#Aerospace, #Computer Vision, #Geospatial, #Robotics, #Software
【投資家】Third Sphere, Toyota Ventures
【主要拠点】Brooklyn, New York, United States
【累計資金調達額】$14.5M (2023/1月時点)
(画像参照:https://nearspacelabs.com/wp-content/uploads/2023/02/Swifty-launch-5-1.p)
Toyota Venturesが出資するNear Space Labsは、軽量でゼロエミッションの成層圏気球を開発している企業である。Near Space Labsの機体は、1回のフライトで最大1000km²をカバーし、都市規模で都市部や農村部の10cm解像度の画像を撮影して資産やトレンドの詳細なモニタリングを可能にしている。収集データを四半期ごとに更新することで、最新かつ信頼性の高いデータへのアクセスを保証している。航空機や衛星ではなく気球を用いることによってカーボンフリーを実現し、環境への影響を大幅に削減している。
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(画像参照:https://www.zwift.com/ja)
(参照)
https://nearspacelabs.com/
Sceye 太陽光発電で成層圏を飛行する飛行船
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【企業名】Sceye
【ラウンド】Series C
【設立年】2014年
【業種】#3D Technology, #Aerospace, #Internet, #Sensor, #Solar
【投資家】KittyHawk, Obsidian Investment Partners, Mawarid Holding
【主要拠点】Moriarty, New Mexico, United States
【累計資金調達額】$50M (2024/9月時点)
(画像参照:https://www.jwing.net/wp/wp-content/uploads/2024/08/0820sceye-w.jpg)
Sceyeは、太陽光発電で成層圏を飛行する飛行船を開発している企業である。Sceyeの機体は、外皮が強度やヘリウム保持、熱管理の点で最適化されており、成層圏環境に耐えられるよう設計されている。また、太陽電池を機体表面に搭載して太陽光発電によって昼夜飛行できるため、成層圏で離陸後数ヶ月間サービスを提供し続けることが可能である。そして、インターネット接続以外にも、1 m未満の解像度でメタン排出を追跡するなどといった環境モニタリングや災害検知などを実行できる上、自動飛行技術も向上している。
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(画像参照:https://sceye.com/wp-content/uploads/2023/04/Aerial-view-of-Napoli.jpg)
(参照)
https://newatlas.com/aircraft/sceye-haps-aircraft-internet-access/
https://www.businesswire.com/news/home/20220614006039/en/Sceye-HAPS-Ascend-to-Stratosphere-Using-Renewable-Energy-Sources
Urban Sky 成層圏気球とデータ分析ソフトウェア
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【企業名】Urban Sky
【ラウンド】Series A
【設立年】2019年
【業種】 #Aerospace, #Geospatial, #Mapping Services, #Remote Sensing, #Smart Cities
【投資家】New Stack Ventures, TenOneTen Ventures
【主要拠点】Denver, Colorado, United States
【累計資金調達額】$15.96M (2023/10月時点)
Urban Skyは、成層圏気球とデータ分析ソフトウェアを開発している企業である。Microballoons(mHABs)というUrban Skyの成層圏気球は、高風速下でも5分という短時間で打ち上げることが可能であり、特許を取得している高度制御システムによる航行と滞空ができる。また、耐久性及び経済性に優れている。そして、収集したデータを簡単な操作で分析することができ、リアルタイムデータによる自律飛行制御や複数の気球を統合して制御を行うこともできる。
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(画像参照:https://www.urbansky.com/balloon)
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(画像参照:https://www.urbansky.com/software)
(参照)
https://www.urbansky.com/balloon
https://www.urbansky.com/software
NewSpace 太陽光発電で成層圏を飛行する超軽量ドローン
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【企業名】 NewSpace
【ラウンド】Venture Round
【設立年】2017年
【業種】 #Aerospace, #Machinery Manufacturing, #Satellite Communication
【投資家】SBI Start-Up Branch, Pavestone Capital
【主要拠点】Bengaluru, Karnataka, India
【累計資金調達額】$73.32M (2024/3月時点)
(画像参照:https://raksha-anirveda.com/wp-content/uploads/3.jpg)
NewSpaceは、高高度での長時間飛行用に設計された超軽量の太陽光発電ドローンを開発している企業である。NewSpaceのドローンは翼に太陽光パネルが装備されており、インド製無人航空機で最長の90日間の運用を実現した。また、先進的な複合材料を使用して強固かつ軽量な構造を実現し、翼幅と飛行効率を最大化している。そして、効率的なバッテリーを搭載し、夜間運用も可能である。さらに、自動操縦システムによって、航法や飛行制御、通信を処理できる。NewSpaceのプロジェクトは、防衛優秀性のためのイノベーション(iDEX)主導の下で開発されており、インド海軍との契約を確保しており、強力な政府の後ろ盾と軍事応用の可能性がある。
(参照)
https://swarajyamag.com/defence/newspaces-high-altitude-pseudo-satellite-completes-another-milestone-flies-for-over-27-hours-at-26000-feet
https://www.upscprep.com/high-altitude-pseudo-satellites-haps-idex-uav-upsc/
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