注目すべきe-Nose スタートアップ5選

こちらの記事では注目すべき【e-Nose】関連のスタートアップ5社を紹介いたします。
e-Nose(電子鼻)
e-Nose(電子鼻)は、匂いや香りを検出・分析するために設計された電子センシングデバイスで、人間の嗅覚を模倣し、特定の匂いや化学物質を検出することで、様々な産業や応用分野で匂いを客観的に測定・分析するための重要な技術である。
・タバコ/飲食料品
ワイン、野菜、タバコなどの品目の匂いを識別することによる応用価値が認められており、匂い検出に限らず、原材料検査や品質管理(成熟度検出・種の識別)などに広く使用されている。
・セキュリティ
手荷物や郵便物、車両や航空機に隠された爆弾を検出するのに使用されている。
・廃棄物管理(環境モニタリング)
埋立地からのメタンガスやその他の臭気のリアルタイムモニタリングに使用されている。
Mordor Intelligenceの調査によると、e-Noseの市場規模は2024年に2,738万ドル、2029年までに5,310万ドルに達すると予想されており、年平均成長率(CAGR)は14.17%である。人工知能(AI)やクラウド、IoTなどの技術の進歩が、その需要を高めている。

(参照)
https://www.mordorintelligence.com/industry-reports/electronic-nose-market
注目すべきe-Nose スタートアップ5選
Aromyx 人間の嗅覚の仕組みを活用したマーケティングデータ

(画像参照:https://media.bizj.us/view/img/12068163/josh-silverman-aromyx*900x506x1713-967-0-0.jpg)
【企業名】Aromyx
【ラウンド】Series A
【設立年】2013年
【業種】#Analytics, #Artificial Intelligence (AI), #Big Data, #Biotechnology, #Machine Learning【投資家】Ulu Ventures, Rationalwave Capital Partners
【主要拠点】Mountain View, California, United States
【累計資金調達額】$18.81M (2021/7月時点)
Aromyxは、人間の高感度な嗅覚の仕組みを活用することで、企業が製品を設計する方法やターゲットとする人口統計、トレンド予測や健康にまつわる世界的な問題を解決する方法を変えるようなデータを提供する企業である。Aromyxのセンシング技術は、人間の嗅覚がどのような匂いを感知し、脳に伝達するかを初めて再現して測定するものである。人間の嗅覚と味覚の受容体は、バイオセンサー上で匂いや味のサンプルにさらされると活性化するため、そのパターン(それが心地よいか、汚染されているか、毒性があるかなど)を解読することができる。・新商品開発のための豊富な知見にアクセス
AromyxのソフトウェアとAIプログラムで、顧客のレセプター試験から得られたデータをクラウドに展開し、比較やモデリング、シミュレーションをすることで、サプライチェーンの最適化や品質管理対策の開発、製品の改良につながる貴重な指標を提供する。
・独自のソリューションの構築
Aromyxの専門家が業界特有の問題を解決することでビジネス目標を達成をサポートする。例えば、自社の飲料が基準となる味にどれだけ近いかや売れ筋商品にはどのような共通点があるかなどを明らかにできる。
・理想的な消費者をターゲットにする
遺伝子や人口統計のマッピングを通じて地域や社会で最も影響力のある製品を特定し、自社のビジネスの新しい顧客層を特定したり、十分に販売されていない市場を開拓したり、特定の製品に適した消費者をターゲットにしたりすることに活用できる。
Aroma Bit 組込型センサーモジュールとニオイ測定分析機器およびニオイデータソリューション

(画像参照:https://www.aromabit.com/)
【企業名】Aroma Bit
【ラウンド】Venture Round
【設立年】2014年
【業種】#Health Care, #Internet, #Internet of Things
【投資家】East Ventures, Sony Innovation Fund
【主要拠点】Tokyo, Tokyo, Japan
【累計資金調達額】$13.78M (2021/2月時点)
Aroma Bitは、自社製品にニオイセンサー機能を付与できる組込型センサーモジュールを提供している企業である。Aroma Bitのニオイセンサーは、ニオイ分子が膜表面に吸脱着して起こる質量変化を水晶振動子の共振周波数の変化として検知・計測する。その後、膜ごとの周波数変化値を数値データへと変換したり、表面に電荷を貯める機能を応用し、膜にニオイ分子が吸脱着することで起こる電荷量の増減を用いて数値データへと変換し、可視化している。Aroma Bitは、このニオイセンサーを搭載したニオイ測定分析機器や、ニオイ可視化センサーから取得したデジタルニオイデータを用いたニオイデータソリューションなども提供している。

(画像参照:https://www.aromabit.com/wp-content/uploads/2022/08/5qssm-01.jpg)
Aryballe Technologies 数千種類の臭気に対して感度を持つ臭気センサー

(画像参照:https://aryballe.com/wp-content/uploads/2021/05/NeOse_Advance.jpg)
【企業名】Aryballe Technologies
【ラウンド】Series B
【設立年】2014年
【業種】 #Electronics, #Manufacturing, #Nanotechnology
【投資家】Asahi Kasei, HCVC, Innovacom
【主要拠点】Grenoble, Rhone-Alpes, France
【累計資金調達額】$18.15M (2020/7月時点)
Aryballe Technologiesは、信頼性が高く一貫した臭気検出が可能になるシリコンフォトニクス*をベースにした最先端のe-Nose鼻技術を開発しており、数千種類の臭気に対して感度を持つ臭気センサー「コア・センサー・モジュール(CSM)」を提供している企業である。CSMは、独自のペプチド・バイオセンサーで機能化された64個のマッハツェンダー干渉計**によって臭いの原因となる揮発性有機化合物を検出するものである。湿度の後処理が改善され、コンパクトで軽量な筐体を持つNeOse Advanceは、食品、フレーバー、フレグランスの幅広いアプリケーションにおいて、においデータを活用することができ、データの取り込みと分析を強化する直感的なソフトウェアツール、Aryballe Suiteが付属している。
*1シリコンフォトニクス:シリコン基板上に、光導波路、光スイッチ、光変調器、受光器などの素子を集積する技術。
**2マッハツェンダー干渉計:平行な2本の光ビームの相対的な位相差を測定するシンプルな干渉計。 この位相差は、微小な変位、透過型オプティクスの透過波面誤差、透明材料の屈折率、風洞の空気の流れなどの測定に用いることができる。
(参照)
https://aryballe.com/our-products/device-solutions/
https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/products/materials-components/electronics/optical/column/20230608.html#:~:text=%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%88%E3%83%8B%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%83%B3%E5%9F%BA%E6%9D%BF%E4%B8%8A%E3%81%AB%E5%8F%97%E5%85%89%E5%99%A8,%E3%82%92%E9%9B%86%E7%A9%8D%E3%81%99%E3%82%8B%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
https://www.edmundoptics.jp/knowledge-center/application-notes/optomechanics/building-a-mach-zehnder-interferometer/#:~:text=%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%8F%E3%83%84%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E5%B9%B2%E6%B8%89%E8%A8%88%E3%81%A8,%E7%94%A8%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
Breathomix 呼気中の揮発性有機化合物(VOC)の全スペクトル測定・分析

(画像参照:https://www.breathomix.com/wp-content/uploads/2019/06/eNose-measurement-child-1080×721.jpg)
【企業名】Breathomix
【ラウンド】-
【設立年】2018年
【業種】 #Medical Device
【投資家】-
【主要拠点】Bargelaan, Leiden, Netherlands
【累計資金調達額】-
Breathomixは、呼気中の揮発性有機化合物(VOC)の全スペクトルを測定・分析する包括的なソリューションであるBreathBaseを提供している企業である。BreathBaseにより、呼気中のバイオマーカーをリアルタイムでその場で分析することができる。BreathBaseは、呼気分析技術を臨床ケアに導入することを目指すもので、小型分析器や迅速診断キットを用いて医療現場で行うリアルタイム検査においてe-Nose技術を使用し、呼気中のVOCを信頼性高く再現性のある方法で測定できるe-NoseのSpiroNoseと、常に成長するオンラインの参照データベース、そしてAIを活用したプラットフォームを組み合わせたものである。BreathBaseの臨床的に検証された呼気データベースと臨床データは、 新たな患者の診断において参考となる。
(参照)
https://www.breathomix.com/
AerNos 製品・クラウドレベルで利用できるマルチガスセンサーモジュール

(画像参照:https://www.aernos.com/wp-content/uploads/2019/09/AerNos_AerIoT.jpg)
【企業名】AerNos
【ラウンド】-
【設立年】2016年
【業種】#Nanotechnology, #Sensor, #Smart Cities, #Smart Home
【投資家】-
【主要拠点】San Diego, California, United States
【累計資金調達額】-
AerNosは、複数のガスを同時に検出するナノガスセンサーや、少ない電力消費でリアルタイムの絶対値センシングを実現する小型化されたフォームファクターを提供する企業である。顧客に寄り添ったカスタマイズをすることによって、特定の環境における特定のアプリケーションのためにセンサーの性能を最大化させるセンサーモジュールを構成しており、フォーチュン100社やその他の業界リーダーと提携し、家庭、商業ビル、交通機関、都市の空気品質モニタリングを行っている。AerNosマルチガスセンサーモジュール は、スマートIoTデバイスへの合理的なプラグアンドプレイ*の統合が可能である上、リアルタイムのセンシングデータは、製品またはクラウドレベルで利用可能であり、豊富なアナリティクス、機械学習、データの均質化、予測モデリングにより、実用的なインテリジェンスのための洞察を得ることができる。
*プラグアンドプレイ:パソコン本体に周辺機器や拡張カードを接続した際に、OSが自動的にその機器を認識して必要な設定を行なう仕組み
・AerBand
屋内外のオゾンやその他のガスを測定し、クラウドやAPI、スマートフォンアプリなどによってリアルタイムでモニタリングすることができる。
・AerIoT
ナノガスセンサーおよび空気とガスのモニタリングセンサーモジュールとプラットフォームによって、簡単にアプリケーションなどの自社製品と統合し、測定データを活用することができる。
(参照)
https://www.aernos.com/#Application
https://www.ntt-west.co.jp/business/glossary/words-00242.html
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