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注目すべきバッテリー管理システム　スタートアップ５選

Kujime Shino 2024年7月11日

こちらの記事では注目すべき【バッテリー管理システム】関連のスタートアップ5社を紹介いたします。

バッテリー管理システム

バッテリー管理システム( Battery Management System,　以下BMSと表示する)は、リチウムイオン電池などのバッテリーの状態を監視し、バッテリーの最適な性能を維持するための管理システムである。BMSは電池の充電、放電、過電流の制御、温度管理、故障検出、電池残量算出を行う機能を持っており、バッテリーの安全性と寿命を向上させることができる。

BMSは電気自動車、再生可能エネルギーシステム、ポータブル電子機器、無停電電源装置、ドローンなど、様々な分野で利用されており、特に電気自動車ではバッテリーの運用と寿命を図るためBMSは不可欠な役割を果たしている。

BMSの市場規模は電気自動車や再生可能エネルギーの拡大に伴い急速に拡大している。2024年時点での市場規模は93億ドルに達しており、2024から2029年にかけて年平均成長率(CAGR)は4.85％と予測されている。この増加は電気自動車の普及や再生可能エネルギーの需要の増加によって支えられている。また、アジア太平洋地域が市場を牽引しており、資金調達額の増加とともに新技術の開発が加速している。

(参照)
https://battery-manufacturing.com/column/%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%B8%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0bms%E3%81%A8%E3%81%AF
https://www.mdpi.com/2313-0105/9/3/152
https://www.gii.co.jp/report/dmin1325361-global-battery-management-systems-market.html
https://www.mordorintelligence.com/ja/industry-reports/battery-management-system-market

注目すべきバッテリー管理システム　スタートアップ５選

Zitara バッテリー管理ソフトウェア開発

【企業名】Zitara
【ラウンド】Series A
【設立年】2019年
【業種】 #Battery #Energy # Electric Vehicle # Energy Storage # Soft ware # Satellite # Communication
【主要拠点】Oakland, California, United States
【累計資金調達額】$12M (2022/9月時点）
（画像参照：https://www.zitara.com/）

Zitaraは、バッテリー管理ソフトウェアを提供し、設計、運用、最大化を支援する。主なサービスは、Zitara StudioとZitara Live。バッテリーの設計時には、Zitara Studioを使用して、セルやパックの特性を把握し、予測を基に設計を行うことができる。実際の運用中には、Zitara Liveを使用して、バッテリーの状態をリアルタイムで監視し、安全性や性能を最適化することができる。Zitaraのソフトウェアは、物理学と機械学習を組み合わせ、バッテリーの内部状態を正確に把握することができ、設計や運用の際には、安全性や性能を最大化することができるのが特徴。他社のバッテリー管理ソフトウェアと比較すると、Zitaraは、より広範囲のアプリケーションにわたる統合的なソリューションを提供しており、機械学習を基盤とした予測機能を含み、より高精度の予測を行うことができる。

（参照）
https://www.zitara.com/
https://www.ycombinator.com/companies/zitara-technologies-inc
https://www.climatecapital.co/blog/meet-shyam-srinivasan-amp-evan-murphy-founders-of-zitara-technologies

Qnovo バッテリー管理ソフトウェア開発

【企業名】Qnovo
【ラウンド】Series C
【設立年】2010年
【業種】＃Automotive＃Battery＃Consumer Electronics＃Electric Vehicle＃Enterprise Software＃Mobile Devices
【主要拠点】Milpitas, California, United States
【累計資金調達額】$40.6M (N/A)
（画像参照：https://www.renewableenergymagazine.com/electric_hybrid_vehicles/qnovo-and-nxp-collaborate-to-accelerate-ev-20230228）

Qnovoは、バッテリー管理ソフトウェアを提供し、電気自動車、移動体、消費者デバイス、IoTアプリケーションなど幅広く提供。主なサービスは、Qnovoのアダプティブチャージングソフトウェアと予測分析ソフトウェア。Qnovoのアダプティブチャージングソフトウェアは、電気自動車の充電速度を最適化し、充電時間を短縮するほか、既存の技術よりも2倍の速度で充電が可能になり、EVの走行距離を20%以上拡張することができるとされる。予測分析ソフトウェアは、バッテリーの状態をリアルタイムで監視し、予測分析を行うことで、バッテリーの寿命を伸ばすことができる。Qnovoは、機械学習を基盤とした予測分析ソフトウェアを提供し、バッテリーの状態をより正確に把握できる。また、NXP Semiconductorと提携し、バッテリー管理システムに組み込むことで、EVの走行距離を既存のシステムより延長できる点も特徴である。

（参照）
https://eepower.com/news/qnovo-lands-battery-management-system-integration-with-nxp/
https://www.greencarcongress.com/2023/02/20230228-qnovo.html
https://www.qnovo.com/

Relectrify バッテリー管理ソフトウェア開発、供給

【企業名】Relectrify
【ラウンド】Series B
【設立年】2015年
【業種】#Battery#Electronics#Embedded Software#Energy#Energy Storage#Solar
【主要拠点】Melbourne, Victoria, Australia
【累計資金調達額】$37.32M (N/A)
（画像参照：https://www.relectrify.com/）

Relectrifyは、バッテリーのセルレベル制御技術を提供し、エネルギーストレージシステムの効率を向上させるためのソリューションを提供。 Relectrifyの主な技術「CellSwitch」は、バッテリー管理システム（BMS）と逆方向インバーターの両方を置き換えることで、エネルギーストレージシステムの性能を向上させ、コストを削減する。同技術はシステムの生存期間を20-30%延長し、エネルギー密度を25%向上させることができる。他社と比較すると、セルレベル制御技術を基盤とした独自のソリューションを提供しており、これにより、Relectrifyは、より高効率のエネルギーストレージシステムを実現し、コストを削減することができる。従来のBMSとインバーターを置き換えることで、システムの複雑さを減らすことができ、安全性や信頼性を向上させている。

（参照）
https://www.relectrify.com/
https://www.relectrify.com/technology/
https://falling-walls.com/people/relectrify/
https://www.latitudemedia.com/news/can-relectrify-sell-the-storage-market-on-its-inverterless-battery

Taqnal Energy Pvt ソフトウェア開発

【企業名】Taqanal Energy Pvt Ltd
【ラウンド】None
【設立年】2018年
【業種】#Analytics#Battery#Cloud Data Services#Energy Storage
【主要拠点】Bangalore, Karnataka, India
【累計資金調達額】$1.27M (N/A)
(画像参照：https://www.energetica-india.net/news/taqanal-energy-raises-rs-95-cr-in-pre-series-round）

Taqanal Energyはバッテリー管理システム(BMS)やテレマティクスユニットなどのハードウェアを開発し、クラウドサービスを提供。Taqanal Energyは、分散型エネルギーリソースの活用や蓄電池の技術開発に焦点を当てており、特に、家庭や企業向けの電力取引を促進するための技術開発や、蓄電池の性能向上に貢献する製品を開発。主な製品は「TQNX」と「Qikswap」で、TQNXはバッテリーやその他のエネルギー貯蔵装置に設置されたセンサーから収集したデータをAIにより処理することで分散型エネルギー資産の遠隔監視と制御を可能にするプラットフォーム。QikSwapは、これにより、EVの航続距離不安や長時間の充電といった課題を解決するためにEVユーザーが24時間365日いつでも利用できるバッテリー交換ステーションネットワークを提供。

(参照)
https://www.taqanal.energy/
https://www.taqanal.energy/services

Bee Bryte HVACーR予測制御ソフトウェア

【企業名】Bee Bryte
【ラウンド】SeriesC
【設立年】2015年
【業種】#Energy#Energy Efficiency#Energy Management#Heating, Ventilation, and Air Conditioning (HVAC)#Real Estate#Renewable Energy#Software
【主要拠点】Singapore, Central Region, Singapore
【累計資金調達額】$16.79M (N/A)
(画像参照：https://www.beebryte.com/about-us/）

BeeBryteは、商業ビルや産業ビルのエネルギー消費量の削減、節約、CO2排出量の削減を、クラウドベースのソフトウェアで、エネルギー消費を最適化するソリューションを提供。 AIベースのエネルギー最適化ソフトウェアを開発し、既存の冷却・冷凍システムを（機器の交換なしに）予測的に駆動させ、最大40％の節約を可能にする。同社が提供するHVAC-R予測制御ソフトウェアは、天気予報やサイトの活動状況を予測し、最適な温度制御を可能にする。また、BMS（ビルディングマネジメントシステム）との統合を通じて、HVAC-Rシステムの運用とメンテナンスをサポートすることにより、施設の快適性を維持しつつ、エネルギーコストを15～40%削減可能。

(参照
https://www.beebryte.com/
https://frenchtech.sg/articles/startupoftheweek-beebryte
https://less-saves-the-planet.com/beebryte-a-player-to-follow-in-the-field-of-energy/?lang=en