注目スタートアップ

注目すべき高齢テック　スタートアップ5選

Ogiyama S 2025年4月24日

高齢テックとは？

高齢テックとは、高齢者の生活や健康をサポートするためのテクノロジーやITサービスである。加齢によって不自由になった身体機能をテクノロジーで支援するだけでなく、高齢でも自由に活動したり新しいことを学んだりすることを支援するものである。

高齢テックの可能性

日本は2024年に50歳以上の人口が50%を超える「2024年問題」を迎え、高齢化が社会課題として顕著になっている。そんな中、高齢者のデジタル機器利用が拡大し、スマートフォン所有率が9割近くに達するなど、デジタル化が進行している。そのため、デジタル技術を活用した健康維持や介護予防、買い物支援、詐欺防止、人との繋がり支援などが提供され始めている。また、介護ロボットや見守りサービスなどの介護テクノロジーも注目され、独居高齢者の増加を背景にその需要が高まっている。

市場の成長予測

DATA BRIDGEによると、障害者・高齢者支援技術の市場規模は、2023年に＄23.09B、2031年には＄38.97B、CAGRは6.76%で成長すると予測されている。現在、人工知能や機械学習などの革新的なソリューションが支援機器に組み込まれることによって、パーソナライズされたケアが促進され、ユーザーエクスペリエンスが向上している。さらに、障害者や高齢者の権利に対する意識の高まりと擁護活動により、政府や組織が支援技術への投資を促進している。

(画像参照：https://www.databridgemarketresearch.com/media/2021/2/61e71a67-c436-42d5-99a3-abe61ee54c85.jpg)

(参照)
http://www.nicmr.com/nicmr/report/repo/2023/2023aut11.pdf
https://www.databridgemarketresearch.com/reports/global-disabled-and-elderly-assistive-technology-market
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000051.000072766.html
https://ageingfuture.com/agetech01/

注目すべき高齢テック　スタートアップ5選

Cera Care　AIを活用した在宅医療

【企業名】Ceracare
【ラウンド】N/A
【設立年】2016年
【業種】#Artificial Intelligence (AI), #Health Care
【投資家】Kairos HQ, Vanderbilt University Endowment, Evolve Healthcare Partners, Schroders Capital, Jane Street Capital, Yabeo Capital
【主要拠点】London, UK
【累計資金調達額】N/A

(画像参照：https://ceracare.co.uk/_next/image?url=https%3A%2F%2Fdev-website-static-assets.s3.eu-west-2.amazonaws.com%2Fphone_desktop_cfef86b3df.png&w=1080&q=75)

Cera Careは、高齢者や弱者に対して自宅でよりよい手頃な価格のケアを提供するためのAIを活用した在宅医療システムを開発している企業である。Cera Careの技術は、患者の症状や健康データを収集し、AIアルゴリズムを使用して状態の悪化を予測、早期の介入を促すことができる。その結果、入院率の52%削減、転倒や尿路問題、感染症の減少、服薬遵守率の向上を実現している。

(参照)
https://www.linkedin.com/company/ceracare/
https://www.eu-startups.com/2022/08/healthtech-startup-cera-care-secures-over-e310-million-to-empower-better-at-home-care/
https://www.businesswire.com/news/home/20231124678204/en/AI-enabled-Home-Healthcare-Provider-Cera-Care-to-Save-the-UK-Government-Hospitals-%C2%A3100M-This-Winter-by-Committing-to-5-Million-Care-Visits

lemmy　AIを搭載したコンパニオンケアロボット

【企業名】lemmy
【ラウンド】N/A
【設立年】N/A
【業種】#Artificial Intelligence (AI), #Health Care
【投資家】N/A
【主要拠点】Changwon, Gyeongsangnam, South Korea
【累計資金調達額】N/A

(画像参照：http://lemmy.co.kr/images/main/about_img04.jpg)

lemmyは、高齢者や認知症患者の健康管理や生活支援、コミュニケーションを通じた社会的支援を行うコンパニオンケアロボットを開発している企業である。lemmyのAIを搭載したロボットは、音声コマンドによる操作、家電やヘルスケア機器との連携、システム拡張を可能にする便利なサービスを提供することが可能である。また、高齢者が友人、家族、介護者、医療専門家とつながりを保つことによる継続的なケアを施すことができる。

(参照)
https://www.axismag.jp/posts/2022/05/471957.html
https://techblitz.com/startup-interview/intuition-robotics/

Intuition Robotics　対話システム搭載AIアシスタントロボット

【企業名】Intuition Robotics
【ラウンド】Debt Financing
【設立年】2016年
【業種】 #Artificial Intelligence (AI), #Human Computer Interaction, #Robotics, #Social, #Software
【投資家】iRobot, Bloomberg Beta, Maniv Mobility, Terra Venture Partners
【主要拠点】Ramat Gan, Tel Aviv, Israel
【累計資金調達額】$83M (2023/8月時点)

(画像参照：https://d16ickwy5135k8.cloudfront.net/wp-content/uploads/ElliQ-User-6-scaled.jpg)

Intuition Roboticsは、ユーザーの指示を待つのではなく、高齢者との積極的な会話を促すAIアシスタントロボットを開発している企業である。Intuition RoboticsのElliQというロボットが持つ独自の共感表現機能によって、ユーザーとの信頼関係を構築することができる。また、心理学や行動科学の知見が取り入れられており、ユーザーの行動変容を促すことも可能である。そして、1日平均20回以上（平均20分間）対話したり、関連アプリを通して家族とビデオ通話したりすることによって、孤独感の解消が期待できる。

(参照)
https://www.axismag.jp/posts/2022/05/471957.html
https://techblitz.com/startup-interview/intuition-robotics/

Rendever　没入型VR療法デバイス

【企業名】Rendever
【ラウンド】Grant
【設立年】2016年
【業種】 #Fitness, #Health Care, #Virtual Reality, #Wellness
【投資家】MassVentures, National Institute on Aging, MassChallenge, MIT delta v
【主要拠点】Somerville, Massachusetts, United States
【累計資金調達額】$2.14M (2023/5月時点)

(画像参照：https://tryhealium.com/hs-fs/hubfs/Healium_September2024/Images/gavin-glow-reefs-1.jpg?width=900&height=900&name=gavin-glow-reefs-1.jpg)

Rendeverは、高齢者向けのVR技術を活用したアクティビティプラットフォームを開発している企業である。複数の高齢者が同時に、サイクリングやピンポンなどといった同じVR体験を共有できる機能に加えて、個人の写真やビデオ、360度写真をアップロードすることで、体験をカスタマイズできる機能がある。Rendeverは、VRを使用して認知症の早期診断を可能にする研究開発も行っている。

(参照)
https://www.moguravr.com/dementia-vr/
https://www.oca.ac.jp/itmagazine/vr/rendeverfit%E3%80%81%E3%82%B7%E3%83%8B%E3%82%A2%E5%90%91%E3%81%91%E6%B2%A1%E5%85%A5%E5%9E%8B%E3%81%AEvr%E7%99%82%E6%B3%95/
https://www.excite.co.jp/news/article/Techable_108138/

AiFlo　ウェアラブル型の高齢者遠隔見守りシステム

【企業名】AiFlo
【ラウンド】Series A
【設立年】2015年
【業種】 #ERP, #Low Code, #Artificial Intelligence, #Digital Transformation, #CRM, #Project, #Management, #Help Desk, #Web Design, #Resource Planning, #Project Management, #Time Sheet, #Surveys, #HRMS, #Mobile App, #Recruitment, #Resource Planning, #Field Services, #Field Sales, #Web Hosting, #Cyber Security
【投資家】EQT Ventures
【主要拠点】Stockholm, Sweden
【累計資金調達額】$6M (2017/9月時点)

(画像参照：https://mhealthwatch.jp/wp-content/uploads/2017/09/aifloo_eyecatch.jpg)

AiFloは、ウェアラブル型の高齢者遠隔見守りシステムを開発している企業である。高齢者向けウェアラブル端末は、動作検知センサーと防水機能を備え、日常の動きや位置情報を記録することができる。そして、データはクラウド上のAIで分析され、活動量や睡眠状況を監視。異常があれば、家族や介護者に通知される。

(参照)
https://getnews.jp/archives/1918629
https://mhealthwatch.jp/global/news20171013-2