情報技術注目スタートアップ

注目すべき再生金融　スタートアップ5選

Mizuki 2025年1月8日

こちらの記事では注目すべき【再生金融】関連のスタートアップ5社を紹介いたします。

再生金融(Refi)とは？

再生金融（Refi）は、ブロックチェーン技術やDAO（分散型自律組織）を活用し、環境問題や気候変動、生物多様性の保全、貧困や食糧不足といった世界が直面するさまざまな課題の解決に向けて、経済的インセンティブを提供する。Refiは、Capital InstituteのJohn Fullertonが提唱した再生経済学の8つの原則を基盤にしており、システム全体の健康を重要視している。Fullertonは環境問題の解決のためには、従来の資本主義経済を否定するのではなく、経済的活動が解決策の一部となるように、経済システムを再構築すべきだと考えRefiを定義した。

再生金融(Refi)の多様な活用事例

再生金融（ReFi）は、環境再生や持続可能な社会を目指す金融モデルであり、主に4つの事例に分類される。まず、環境保護の分野では、森林再生や植林、海洋保護を目的としたプロジェクトに資金を提供し、地球規模の環境保全活動を支援する。次に、農業支援においては、再生農業や土壌改善に向けた取り組みをサポートすることで、持続可能な農業の実現に寄与している。さらに、再生可能エネルギーの促進では、太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーを普及させるための投資を促進し、エネルギーの脱炭素化を推進している。最後に、社会課題への対応として、貧困削減や地域活性化を目指したプロジェクトを支援し、社会的弱者を支える仕組みを強化する。

日本におけるReFiの活用事例

日本国内では、再生金融（ReFi）を活用した具体的な取り組みが特に大手企業を中心に、ブロックチェーン技術や再生可能エネルギーの導入、循環型経済の実現に向けた動きが加速している。例えば、三菱UFJフィナンシャル・グループは、ブロックチェーンを活用したデジタル証券プラットフォーム「Progmat」を運用。同プラットフォームは、資金調達や投資プロセスの透明性を向上させることを目的としており、金融取引の効率化と信頼性の向上に取り組んでいる。また、ソフトバンクは「カーボンニュートラル2030」を掲げ、2030年度までに通信事業で使用する電力を100％再生可能エネルギーに切り替えることを目指している。さらに、AIやIoTを活用して通信インフラの省電力化を進め、環境負荷の低減にも注力している。さらに、トヨタ自動車は、サーキュラーエコノミー（循環型経済）の実現に向けて、電池の3R（リデュース、リユース、リサイクル）に注力。特に北米市場では、電池のリサイクル技術と材料調達の強化に取り組んでおり、持続可能なモビリティ社会の構築を目指している。これらの取り組みは、ReFiの理念に基づき、環境問題や社会課題の解決に向けた重要なステップとなっている。

市場の成長予測と課題

再生金融市場は、環境再生と社会的公平性を目指す新しい金融モデルとして注目されている。Web3技術を活用することで、環境資源のトークン化や分散型資金調達を実現し、透明性と効率性を高めている。自主的カーボン市場は2023年に累積2.4BtCO₂eに到達し、規制整備や透明性向上を通じて、成長再加速が期待される。さらに、再生金融が気候変動への取り組みとして注目を集めている。

(画像参照:https://carboncredits.com/why-the-voluntary-carbon-market-took-a-hit-in-2023/)

(参照)
https://medium.com/@tradefin101/the-state-of-refi-a-comprehensive-look-at-web3-regenerative-finance-9cb73b84a330
https://capitalinstitute.org/
https://carboncredits.com/why-the-voluntary-carbon-market-took-a-hit-in-2023
https://www.tr.mufg.jp/sustainability/efforts04.html?utm_source=chatgpt.com
https://forbesjapan.com/articles/detail/68140?utm_source=chatgpt.com
https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/40102022.html?utm_source=chatgpt.com

注目すべき再生金融　スタートアップ5選

carbonABLE　カーボンクレジットのボランタリー市場プロジェクトへの投資をトークン化

【企業名】carbonABLE
【ラウンド】Seed Round
【設立年】2021年
【業種】#Blockchain, #Energy Management, #Finance, #FinTech, #Social Impact
【投資家】Ethereal Ventures, La Poste Ventures, StarkWare Industries
【主要拠点】Grenoble, Rhone-Alpes, France
【累計資金調達額】$1.71M(2023年/3月時点)

(画像参照:https://www.carbonable.io/)

CarbonABLEは、カーボンクレジットのボランタリー市場プロジェクトに投資するためのトークン化技術を開発する企業である。同社のプラットフォームは、プロジェクトの進捗状況やカーボンクレジットの生成量をリアルタイムで確認できる機能を提供し、投資家や企業が効果的にカーボンオフセット戦略を実行できるよう支援している。また、SDGsの達成にも寄与し、カーボンニュートラル社会の実現に向けた重要な役割を果たしている。同社は、南米やアフリカなどの地域でプロジェクトを展開しており、今後はヨーロッパ、アジア、南米でのプロジェクトも予定しながら、生態系回復やカーボンオフセットの取り組みを強化する。
(参照)https://www.carbonable.io
https://www.eu-startups.com/2023/03/paris-based-carbonable-lands-e1-1-million-to-bring-transparency-to-carbon-offsetting/?utm_source=chatgpt.com

Mintera　サステナブルプロジェクト支援の暗号通貨エコシステム

【企業名】Mintera
【ラウンド】N/A
【設立年】2022年
【業種】#Financial Services, #Mobile Apps, #Venture Capital
【投資家】N/A
【主要拠点】Paris, Ile-de-France, France
【累計資金調達額】N/A

(画像参照:https://mintera.co/)

Minteraは、サステナブルなプロジェクトを支援する暗号通貨エコシステムを構築する企業である。同社の最大の特徴は、「利益の50%を地球環境にプラスの影響を与えるパートナー環境団体に寄付する」という揺るぎない誓約である。この取り組みによって、暗号通貨業界における社会貢献の新しいスタンダードを確立している。特に、フランスに設置されたグリーンマイニングファームを活用し、持続可能な方法で収益を生み出している。また、同社はChiaやFilecoinなどのエネルギー効率の高い技術を統合し、持続可能なマイニングを推進している。
(参照)https://mintera.co/
https://medium.com/%40neyla.aidara/mintera-leading-the-charge-for-sustainable-crypto-mining-b4afcb997ae3?utm_source=chatgpt.com

Unergy　ラテンアメリカで太陽光発電プロジェクト融資マーケットプレイス

【企業名】Unergy
【ラウンド】Seed Round
【設立年】2020年
【業種】#Energy, #Energy Efficiency, #Finance, #Renewable Energy
【投資家】Flori Ventures
【主要拠点】Medellín, Antioquia, Colombia
【累計資金調達額】$1.55M(2022年/8月時点)

（画像参照:https://unergy.io/en)

Unergyはコロンビアを拠点に、太陽光発電を中心としたクリーンエネルギー投資プラットフォームを展開する企業である。同国でのプロジェクトを通じて、ミニソーラーファームの設置を推進し、地域社会と連携して持続可能なエネルギーの普及を目指している。同社のプラットフォームを通じて、投資家はプロジェクトに参加し、クリーンエネルギーの生成から収益を得ることが可能である。また、環境保護と経済的利益の両立を実現し、コロンビア全土で持続可能な開発を促進している。
(参照)https://unergy.io/en

Menthol Protocol　カーボンオフセットと持続可能なエネルギーを促進する自動化プロトコル

【企業名】Menthol Protocol
【ラウンド】pre_seed
【設立年】2019年
【業種】#Blockchain, #Sustainability
【投資家】LD Capital, Moonrock Capital, Republic
【主要拠点】Ankara, Ankara, Turkey
【累計資金調達額】$1.35M(2019年/6月時点)

(画像参照:https://www.mentholprotocol.com/)

Menthol Protocolは、ユーザーや分散型アプリケーションの取引に伴う環境負荷を自動的に算出し、世界中の検証済み再生可能エネルギーおよびカーボンクレジットを活用してオフセットする、初のオムニチェーン分散型持続可能性プロトコルを提供する企業である。さらに、peaqはテストネット「Krest」において、カーボン排出量計算ツールを提供しており、このツールはdApps（分散型アプリケーション）やDePIN（分散型物理インフラネットワーク）が自らのカーボンフットプリントを正確に測定できるように設計されている。同社は、計算結果に基づいてカーボンクレジットを活用し、排出量をオフセットする自動化プロセスの構築を目指している。
(参照)https://www.mentholprotocol.com
https://www.peaq.network/blog/menthol-protocol-launches-calculator-for-carbon-emissions-on-krest

Earthbanc　AIでカーボンクレジット最適化を支援

【企業名】Earthbanc
【ラウンド】Seed Round
【設立年】2019年
【業種】#Environmental Engineering, #Finance, #Financial Services, #Impact Investing, #Internet, #Satellite Communication【投資家】Cerulean Ventures, European Space Agency, Katalista Ventures
【主要拠点】Stockholm, Stockholms Lan, Sweden
【累計資金調達額】$1.85M(2022年/12月時点)

(画像参照:https://earthbanc.io/)

Earthbancは、Regen Ledger(環境データを記録し、炭素クレジットをトークン化するブロックチェーン技術)上の持続可能な土地債券で炭素クレジット・プロジェクトに資金を提供する企業である。ReFiアプリで、銀行口座を持たない10億人の農民や土地管理人が世界初の「炭素銀行」にアクセスできるようにし、あらゆるタイプの投資家を再生プロジェクトにつなげる。同社は、UNCCD(国連砂漠化対処条約)と提携し、1億ヘクタールの土地再生プロジェクトを推進している。さらに、炭素クレジット創出と持続可能な土地管理を目指し、ブロックチェーン技術で透明性を確保している。